電力自由化はどこまで進んでいる? 現在の進捗やシェアを詳しくチェック

1.電力の小売全面自由化
2022.09.08

電力自由化はさまざまな法整備の元、徐々に進められてきました。2016年から始まった家庭向けの低圧電力の普及のことしか知らないという方も多いと思いますが、実は1995年から始まっており、2016年4月にすべての電力契約が自由化となりました。では全面自由化になってから現在まで、進捗はどれくらい進んでいるのでしょうか?今回は電力自由化の現状について見ていきましょう。

 

電力自由化の進捗状況

電力自由化を進めている資源エネルギー庁は、2021年10月26日に現在の電力全面自由化の進捗状況について発表を行っています。そこでここからは、その内容から見ることができる電力自由化の現状や進捗状況について見ていきましょう。

 

◆新電力のシェアは21.3%

2021年6月時点では、全販売電力量の中で新電力が占めているシェアは約17.8%となっています(供給区域外の大手電力会社を除く)。そのうち、大規模な工場やショッピングモールなどに供給される高圧部門は28.4%、特別高圧は11.1%、家庭等を含む低圧部門は22.8%となっています。

最初に自由化が始まった高圧電力部門がやはり、その進捗状況は最も進んでいるといえます。低圧部門の自由化が始まったのは2016年でしたが、そこから4年で全体の5分の1以上の家庭等が電力会社の変更を行っていることが分かります。

 

◆供給エリア別にみると東京が唯一の30%超え

先ほどのデータは全国のシェアでしたが、次はエリア別にみていきましょう。いちばん新電力のシェアを占めているのは東京エリアで、2021年6月時点におけるシェアは30.1%です。全国で初めて30%を超えました。大きな下落もなく、着実に拡大しています。東京エリアは参入している新電力会社が多く、その結果として切替え件数が多いと推測されます。

次いでは北海道エリアで24.3%となっています。2018年には高圧のシェアが40%近くまで拡大し、全電圧合計でも全国で1番のシェアを獲得していましたが北海道地震の影響で急落しました。北海道地震の際、日本初のブラックアウト(全エリア停電)が起きましたので記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。その地震の影響で電気の市場が急激に高くなり、新電力会社が高圧で事業を続けるのが困難となり、北海道エリアから撤退が相次いだためシェア急落となりました。低圧は撤退する会社はあまりなく、今も上下を繰り返しながらも少しずつ拡大をしています。

その次が、関西エリアで23.6%です。特別高圧・高圧の下落の影響で伸び悩みの時期もありましたが、少しずつ拡大を続けています。全電圧のシェアだと3番手になりますが、北海道は特別高圧のシェアが高いことが影響しており、高圧・低圧で見るとどちらも関西が2番手です。特に低圧は東京エリアに追随しており、一般家庭等の切替えは東京と関西が群を抜いています。

シェア20%を超えているエリアはこの3エリアのみで、他エリアは10%台と伸び悩んでいます。

◆全国で遅れをとる沖縄エリア

沖縄エリアに限っては、全面自由化後5年以上をかけて2021年5月にようやく10%を超えました。これは沖縄エリアに供給している新電力会社が少ないことが原因にあげられます。

沖縄エリアに新電力会社が少ない要因として、多くの電力会社は電気市場から電気を購入しますが、沖縄は本土と電線が繋がっていない為、本土から電気を送ることができず電力市場で購入できる電力量が限られています。そのため、購入できる電力量が少ないので提案がなかなかできず、自由化が進まない状態が続いております。一時期、沖縄エリアは複数の電力会社が高圧の削減提案をしていましたが、削減率では5%削減程度でしたので、市場価格競争も他エリアに比べると鈍化している状態です。沖縄エリアが自由化を進められるように沖縄に進出する会社を増やすのが、今後の課題と言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?電力自由化がすすめられたことによって、多くの企業が電力事業に参入してきています。多くの企業が価格競争をするため、価格も安くなっていますし、さまざまなサービスを提供しているため、徐々にシェア率を高めていることが分かります。現状では約21%のシェア率となっていますが、毎年大幅にシェア率を伸ばしてきていることから、今後も新電力を利用する方が増えてくると考えられます。今でも700を超える電力会社が参入しているため、ぜひ自分に合った電力会社を探してみてくださいね。